2016年12月19日月曜日

ゲームのレベルデザイン

知り合いがFacebookで紹介していたから購入してみたんだけど。
「レベルデザイン 徹底指南書」 大久保 磨 著

 

さすがに業界に20年以上いる私には、それは知っているよ…というものばかりです。
まだ、5章のRPGまでしか読んでいませんが!

おそらくは、学生やこれからプランナー始めるぜ、という人向けなのだと思います。
ですが、徹底指南書というには、少し物足りない気がします。

こういう解説本も需要があるということで、せっかくのプログラム・ブログなので、この本の様に、私なりのレベルデザインについても、書いていくのもありなのかも。

というわけで、RPGの項目に書いて無くて、ちょっと残念だった、パラメータの概念とエンカウントについて、書いてみることにしました。


まず、パラメータについてですが、敵に与えるパラメータとして、攻撃力という数値パラメータがあったとしましょう。
当然、数値があがるほど、与えるダメージは大きくなります。

RPGの装備品の特徴として、パラメータ補正があります。
この剣を装備すると、攻撃力+10
などがそれで、見たことある人も多いはず。

この補正値には、大きくわけて、2種類あります。

「攻撃力+10」
「攻撃力×2」

足し算か、掛け算か、という違いですが、用途がまったく異なります。

たとえば、レベル1から、レベル99まで上がるRPGがあったとして、
 レベル1のときの素手の攻撃力が5
 レベル99のときの素手の攻撃力が1000
まで上がるとしましょう。

レベル1のとき、
 「攻撃力+10」を装備すると、攻撃力15となり、3倍です。
 「攻撃力×2」だと10で、2倍になります。

大した違いに思えないかも知れません。
しかし、レベル99を見ると。

 「攻撃力+10」を装備すると、攻撃力1010で、ほとんど効果がありません。
 「攻撃力×2」だと2000で、数値的には2倍ですが、レベルで換算すると、
レベル200くらいと等価になります。

武器の様に装備していると常に効果があるものに、×2のような効果をつけてしまうと、
バランスブレイカーと呼ばれる装備品になりえます。

一般的に、+10などの加算パラメータは、装備品など、次々に新しいものに替えていくものに付加することが多く、x2などの乗算(倍率)パラメータは、スキルなどのように、別パラメータを消費するなどの制限下で、一時的に効果を発揮するものに設定することが多いです。

上で書いたように、その効果をレベルに換算してみるのも1つの指標になります。


そして、エンカウント
ランダムエンカウントですが、こちらは、一歩進むごとに、確率で、敵が出るかどうかの判定を行うというものですが、いまだに、一歩ごとに同じ確率で計算していると思われるRPGがリリースされています。
プレイした感じでそう思う、というだけですが

どういうことかというと、1歩ごとの判定で、1/10 (10%) で敵が出るとしましょう。

一歩目で敵がでる確率:10%
二歩目で敵がでる確率:90% × 10% = 9%
三歩目で敵がでる確率:90% × 90% × 10% = 8.1%
四歩目で敵がでる確率:90% × 90% × 90% × 10% = 7.3%
 :
 :
という様に、歩き始めて、一歩目で敵が出る確率が一番高くなり、ほとんど進まないうちに、敵が次々と出てくる、ということが多くなります。
こころ当たりのあるゲームはありませんか?

これでは、エンカウントでストレスが溜まります。
こういうのを調節するのも、レベルデザインの1つですが、インターフェースなどと違って、見た目ではわからないのが、やっかいな点です。

ちなみに、解決方法としては、次に敵とエンカウントする歩数を乱数で決める、最低20歩は敵とエンカウントしないようにする、などが挙げられます。


0 件のコメント:

コメントを投稿