「レベルデザイン 徹底指南書」 大久保 磨 著
さすがに業界に20年以上いる私には、それは知っているよ…というものばかりです。
(まだ、5章のRPGまでしか読んでいませんが!)
おそらくは、学生やこれからプランナー始めるぜ、という人向けなのだと思います。
ですが、徹底指南書というには、少し物足りない気がします。
こういう解説本も需要があるということで、せっかくのプログラム・ブログなので、この本の様に、私なりのレベルデザインについても、書いていくのもありなのかも。
というわけで、RPGの項目に書いて無くて、ちょっと残念だった、パラメータの概念とエンカウントについて、書いてみることにしました。
まず、パラメータについてですが、敵に与えるパラメータとして、攻撃力という数値パラメータがあったとしましょう。
当然、数値があがるほど、与えるダメージは大きくなります。
RPGの装備品の特徴として、パラメータ補正があります。
「この剣を装備すると、攻撃力+10」
などがそれで、見たことある人も多いはず。
この補正値には、大きくわけて、2種類あります。
「攻撃力+10」
「攻撃力×2」
足し算か、掛け算か、という違いですが、用途がまったく異なります。
たとえば、レベル1から、レベル99まで上がるRPGがあったとして、
レベル1のときの素手の攻撃力が5
レベル99のときの素手の攻撃力が1000
まで上がるとしましょう。
レベル1のとき、
「攻撃力+10」を装備すると、攻撃力15となり、3倍です。
「攻撃力×2」だと10で、2倍になります。
大した違いに思えないかも知れません。
しかし、レベル99を見ると。
「攻撃力+10」を装備すると、攻撃力1010で、ほとんど効果がありません。
「攻撃力×2」だと2000で、数値的には2倍ですが、レベルで換算すると、
レベル200くらいと等価になります。
武器の様に装備していると常に効果があるものに、×2のような効果をつけてしまうと、
バランスブレイカーと呼ばれる装備品になりえます。
一般的に、+10などの加算パラメータは、装備品など、次々に新しいものに替えていくものに付加することが多く、x2などの乗算(倍率)パラメータは、スキルなどのように、別パラメータを消費するなどの制限下で、一時的に効果を発揮するものに設定することが多いです。
上で書いたように、その効果をレベルに換算してみるのも1つの指標になります。
そして、エンカウント。
ランダムエンカウントですが、こちらは、一歩進むごとに、確率で、敵が出るかどうかの判定を行うというものですが、いまだに、一歩ごとに同じ確率で計算していると思われるRPGがリリースされています。
(プレイした感じでそう思う、というだけですが)
(プレイした感じでそう思う、というだけですが)
どういうことかというと、1歩ごとの判定で、1/10 (10%) で敵が出るとしましょう。
一歩目で敵がでる確率:10%
二歩目で敵がでる確率:90% × 10% = 9%
三歩目で敵がでる確率:90% × 90% × 10% = 8.1%
四歩目で敵がでる確率:90% × 90% × 90% × 10% = 7.3%
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という様に、歩き始めて、一歩目で敵が出る確率が一番高くなり、ほとんど進まないうちに、敵が次々と出てくる、ということが多くなります。
(こころ当たりのあるゲームはありませんか?)
これでは、エンカウントでストレスが溜まります。
こういうのを調節するのも、レベルデザインの1つですが、インターフェースなどと違って、見た目ではわからないのが、やっかいな点です。
ちなみに、解決方法としては、次に敵とエンカウントする歩数を乱数で決める、最低20歩は敵とエンカウントしないようにする、などが挙げられます。
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